【相続税】相続税は最小の税金で済ませるために「生前贈与」を活用する
ご存知の方も多いと思いますが、死亡してから財産を渡すと「相続」になります。生きているうちに財産を渡すのは「贈与」です。死亡したの時点(正式には死亡診断書作成時点)で3、死亡した人は「被相続人」は財産を相続する遺族は「遺産相続人」になります。
相続財産は死亡した日から10カ月以内に遺産相続の手続きをしないといけません。(私の場合は父が今年2月に亡くなったので、12月までに法務局に行き、自宅不動産の名義を父から母へ移す「所有権移転登記手続き」をしなければなりません)
今回紹介するのは、被相続人(例えば父親が)生きているうちに、相続人(例えば妻・子2人)に財産を贈り与える「生前贈与」で、いざ亡くなったときの相続税を最小の税金で済ませる方法です。
さて、金融広報中を央委員会が発表した2018年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上世帯の金融資産の平均は1,151 万円。単身世帯は822万円です。「え?平均がそんなに高いのか!?」と驚いてしまうかもしれませんが、「平均が普通」ではないことに注意しましょう。
中央値(小さい順に並べた時にちょうど真ん中に位置する値)で見てみると、2人以上世帯の金融資産は400万円です。単身世帯の金融資産は何と20万円!です。この平均値と中央値の大きな差がなぜ起きるかというと、金融資産が0という単身世帯が48.1%に跳ね上がったからです。2007年は約30%でした。この10年で急増しています。金融資産を増やす人はどんどん増やす一方で、金融資産を増やせない人の数は増えているというのが現実です。
いっぽう、相続税の支払いに困っている人も実はたくさんいます。私の友人の家は「資産家の現金なし」で、おばあさんが亡くなった時の相続税が莫大だったものの現金がなく、所有していた不動産のほとんどを「物納」しました。早め早めの相続税対策を行い、逝く方も遺された方も穏やかな時間をもちたいものです。
さてさて、平成27年、平成28年に相続税の申告書を提出した割合は、相続発生件数(死亡者数)のわずか8%程度と、そう高い割合ではありません。逆に考えると「相続税は自分にも周りにも全く関係ない」とスルーしている方が多いのではないでしょうか?
贈与税は110万円までが非課税で贈与した人の人数に制限なし!
相続税法は2015年に改正されたことで、控除額が一気に2000万円以上減額されています。そのため今まで以上に生前贈与の重要性が増しています。贈与税は110万円までが控除額で、それ以上は最小10%の税率がかけれらます。
また、生前贈与は人数制限がないので、3人に110万円ずつ贈与しても全額控除範囲内となります。かなり気の長い話になりますが、コツコツと贈与を続けると、2000万円以上の節税も可能ですので、早めの行動を心がけましょう。
【4人家族で父親が死亡し5000万円の遺産があった場合】
◇相続税
控除額3000万円∔(3人×600万円)= 4800万円 (下記表の①)
5000万円‐4800万円=200万円
200万円×10%=20万円の税金 ②
<相続税>
控除額:3000万円+相続人×600万円 ①
対象者:法定相続人
税率:
1000万円以下10% ②
3000万円以下15%
5000万円以下20%
1億円以下30%
◇生前贈与するで贈与する期間は
父から3人に110万円ずつ毎年贈与する。③
5000万円÷(3人×110万円)=16年ほどで相続財産が0になる。
<贈与税>
控除額:110万円(年額) ③
対象者:贈与された人
税率:
200万円以下10%
300万円以下15%
400万円以下20%
600万円以下30%
なお、父が2月に亡くなった際に、何が相続手続きについてわかりやすかったサイトがこちらです。
◇相続税(相続にかかる税金)基礎知識(中野相続手続きセンター)
http://www.tokyo-intl.com/category/1602283.html
◇相続人数、相続財産内容、相続金額で変わる条件を細かくチェック